おれにゴタクを並べさせる世の中は間違っている

いつ死ぬかわからないので過去に書いたモロモロの文章をまとめてみました。

幸福を願うだけ、何かを呪うこと。

魔法少女というのは「夢と希望を与える」ものという、それまでの魔法少女の定義を逆手に取ったかのようなテーマ、これすなわち魔法少女ではなく「人間」とも言える。夢と希望を与えなくとも、夢と希望にすがって人は生きてる。しかし、夢と希望は他者に向けても自己に向けても、なかなか達成しうるものではなく、そこに「絶望」が生まれる。
もっと恐ろしいのは、誰かのために夢と希望を与えようとするとき、同時に誰かを呪ってしまうものだ。これまさに「業」である。誰かを呪うだけでなく、自分を呪ってしまうことだってある。

魔法少女まどか☆マギカ』の最後の魔女は「無力」の化身。無力とは自分を呪うことだ。
魔法少女の絶望に限らず、人間が自我を持って行き始めて以来、この呪いは脈々と累積されてきた。
ワルプルギスの夜、を前にまた無力感が累積され、またきっとワルプルギスの夜は未来にキャリーオーバーされる。
そこから脱出する方法はないのだろうか。
多分、困難ではあるが、あるのだろうと信じたい。

それにしても、この作品がクライマックスを前に東日本大震災で中断され、「ワルプルギスの夜」を経験し、無力感に打たれていた時期にクライマックスを迎えたのは、きっと「まどか」の差配に違いない。