●アオケイの竹林さん(2012年3月19日)
ヘンな癖で、おれは実家に戻るとテレ玉しか見ない。とりわけ、競艇もオートもやらないのだが、『バッハプラザ』を必ず見る。これは昔からのクセで、『サザエさん』が週の終わりを告げるように、あの番組が一日の終わりを告げる時の鐘のような役割をしている。
そんな、『バッハプラザ』から5年続いた武田あかりサン&『アオケイ』竹林記者の名コンビの西武園レース展望が今夜で最後だそうだ。
競輪知らない頃ぼーっと見ていたときも、ダンディでクールでシャイな竹林記者の語り口と、陽気で奔放でキュート武田さんのコンビは何とも愛嬌があると言っちゃ失礼だが(片山まさゆき『打姫オバカミーコ』の波溜とミーコを思い出す)、印象的でありました。
武田サンの愛くるしさも魅力的だけど、現在オレの中で「男として抱かれてもいい男第2位」の竹林記者、「抑え車券を買うのはロックンロールじゃないから」と言い放つその語り口に加えて、映画と音楽と文学に非常に造詣が深く、高知競輪の時には映画『祭の準備』を、大宮競輪の時には阿佐田哲也『競輪円舞曲』、折に触れて『ズボンで着陸』を引用し、なぜ一点予想しかしないか?と言われて、小沢昭一の映画『競輪上人行状記』を引き合いに出すなど、展開予想だけでない「競輪」というものが自分にとってなぜ魅力的なのかを、横に展開して語るところもスゴくおもしろい。(2012年3月19日)
【2020年6月の追記】
その後竹林さんはアオケイの編集長になり、編集長は後進に譲っているがいまだに現役である。最近は文字でしか見れず、竹林さんの語りが聞けないのが寂しい。