おれにゴタクを並べさせる世の中は間違っている

いつ死ぬかわからないので過去に書いたモロモロの文章をまとめてみました。

2020-06-22から1日間の記事一覧

●今夜もどこかで『スナック幸』はやっている(2017年4月9日)

おれの上司でありタッグパートナーのKさんは梶原信者でありプロレス者なので、いろいろ不平不満はあれど根本の部分で信用しているのだが(そうでなかったらとっくに辞めてらあ)、彼に「この休みに泪橋に行ってきましたよ」って話をしながら写真を見せたら、…

●郷愁(2013年3月5日)

大宮競輪場にて おれのオヤジはおれのような趣味的でない、真のバクチ好きなので、当然大宮競輪場にも通っていた。だから、中野、井上、滝沢なんて名前はなぜか知っていた。 その頃の競輪場ってのはものすごく盛っていて、競輪開催日の夕方はおれんちの裏の…

●映画『ムーンライト』(2017年12月24日)

この作品、とにかく映像的に美しい。それは実は映画技術として極めて実験的な最新のワザを使っているとのことなのだがその説明は置いておく。とにかく、光と影、アフリカ系の肌の色の美しさ、マイアミの太陽と海の美しさ。色調のベースは青なんだが、とにか…

●映画『ちはやふる』(2018年4月16日)

日本映画専門チャンネルで『ちはやふる』の一挙放送があったので改めて見た。前々からおれの周りにも薦めているんだけれど、これは「スポーツ映画」あるいは「ジャンル映画」の傑作に入ると思う。 www.youtube.com まず、広瀬すずという傑物の魅力。それは美…

●雀鬼・桜井章一を考える。(2018年2月13日)

アベマの麻雀チャンネルでRTDとか見ていて思うのだが、「スーパーデジタル」小林剛の麻雀と「自己啓発オカルト麻雀」桜井章一の麻雀って巡り巡って近いのではないかしら。誰に向けて書いてるのかね。 雀鬼サマへの道 (1) 実践! 雀鬼流手ほどきの書 【初級…

●アニメ『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない』~言霊論~(2012年6月12日)

『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』鑑了。もう、わかっちゃいたけど、わかっちゃいたけども、案の定、ちれーな涙が出たよ。こんなおれにもこんな涙が流れるのかというね。何かもう、ここまで来ると汚ねえよ!政策委員会!電通!野暮を承知で大仰な…

●競輪と自然(2012年9月5日)

おれは競輪が好きなのだけど、前にも書いたことがありますが、おれが競輪が好きな大きな理由の一つに「競輪場のコンクリート感が好き」ってのがある。そもそもおれは街育ちのせいか、京浜工業地帯とか、磯子のコンビナートとか、船橋のイケアのあたりとか葛…

●アオケイの竹林さん(2012年3月19日)

ヘンな癖で、おれは実家に戻るとテレ玉しか見ない。とりわけ、競艇もオートもやらないのだが、『バッハプラザ』を必ず見る。これは昔からのクセで、『サザエさん』が週の終わりを告げるように、あの番組が一日の終わりを告げる時の鐘のような役割をしている…

●新美南吉はブルースである(2017年4月6日)

以前、『ごんぎつね』を読んだ小学生が、「悪いことをしたんだからごんは撃たれても仕方がない」みたいなことを書いてきてショックだった、という国語の先生の話がネットにあったのを覚えているんだけれど、おれに言わせれば、そういう解釈ができてしまうと…

●南野陽子を聴いていて、ふと国語教育について考えた(2015年3月15日)

「昭和アイドル春ものソングランキング」を考えていて、おれの好きな南野陽子の名曲『はいからさんが通る』を思い出した。 「はいからさんが通る」南野陽子 そして、国語、つまり日本語を教えている立場としてちょっと考えたことがあるのです。 この歌の非常…

●おれとオヤジと麻雀と茅森早香(2017年7月11日)

時は1960年代。 麻雀好きの中央大学の学生ヒロシが上野から汽車に乗ると、雀荘でよく一緒になる早稲田の学生サダヨシが乗っていた。「おう」と声をかけると「あれ?おまえんちどこなの?」「大宮だよ」「おれもだよ」「へーそうなのかあ」。仲良くなった…

●賭け麻雀と『2時のロードショー』(2018年3月6日)

フリー雀荘での絶対のマナーとして「他者のアガリの批判は絶対にしない」というのがある。 セットで気心知れた連中なんかとやる時は「んだよそのクソリーチはよう」なんて言いながらやったりするのが楽しいんだが、フリー雀荘というのは知らない人と打つので…

●さようなら、ミスター・ブルースカイ(2018年6月14日)

小島武夫の麻雀は古い。古いどころか、その当時から「勝てる」打ち方ではなかったことはもろもろの文献や牌譜からハッキリしている。おれも小島武夫は宇宙一カッコイイと思っているが、打ち方をいいと思ったことはない。 街場の雀荘には小島武夫よりも強くて…

●梶原一騎『男の星座』(2014年9月10日)

男の星座1 作者:梶原 一騎,原田 久仁信 発売日: 2014/05/27 メディア: Kindle版 知らない方に説明すれば、『男の星座』っていうのは梶原一騎の自伝的作品で、力道山、大山倍達、木村政彦、ルー・テーズといった自分が見上げて来た「星座」たちを巡る物語なん…

●毒蝮三太夫の朗読『ルドルフとイッパイアッテナ』(2013年4月13日)

教育テレビでむかしやってた毒蝮三太夫の朗読による児童文学『ルドルフとイッパイアッテナ』。 ルドルフとイッパイアッテナ① 岐阜でシシャモを盗んで逃げこんだトラックに運ばれて小岩にやってきた黒猫「ルドルフ」が、文字の読み書きができる東京・小岩のボ…

●大宮(2013年12月18日)

原武史『レッドアローとスターハウス』という西武沿線の団地文化の本から、ちょっと自分のことを書いてみる。 昨日大宮競輪場行って、ついでに師走の大宮の街(世界中の街の中で一番好きだ…)をフラフラと歩いておりましたら、やっぱりいい街だなと思いつつ…

●原武史『レッドアローとスターハウス 〜もう一つの戦後思想史〜』(2013年12月12日)

世界には「赤い矢」を名乗る有名な鉄道が3つあり、一つは西武鉄道の秩父に行く特急「レッドアロー」、一つはスイスの山岳観光鉄道であり、西武線のレッドアローは秩父をスイスに見立て名付けられた。そしてもう一つは、なんとスターリン時代のソ連で開通し…

●映画『ノーザン・ソウル』(2019年3月4日)

おれはゆるふわソウル畑の人間なので、「ノーザンソウル」と言われたら、モータウンやサルソウルといったアメリカ北部のシカゴやらデトロイトやらフィラデルフィアの都会的なソウルミュージック…マーヴィン・ゲイだとかダニー・ハサウェイみたいな、甘くて洒…

●クセがすごい。(2018年11月6日)

行きつけの雀荘に最近やってきたおっちゃんがいる。彼は週末の競技麻雀の大会に片っ端から出場されているような方で、こっちとしても悪い感情はない。むしろいい人だろうと思う。本人も悪気はまったくないのだろう。いや、悪いとこなど別にない。明るいし、…

●伊藤彰彦『映画の奈落 北陸代理戦争事件』(2015年11月12日)

映画というのは総合芸術というか、「群像芸術」だと思うのですよ。監督、脚本、撮影、照明、大道具、小道具、主役、準主役、ヒロイン、脱ぎ役、脇役、殺陣師から、仕出しの弁当屋、運転手まで、関わる人の数がケタ違いに多い。 さらにこの東映実録ヤクザ映画…

●トリュフ塩(2014年4月27日)

最近一番不快だったツイッターの書き込みについて。 一人で激おこだったもので…って最近「激おこ」の何段活用だかって使ってるのかね。おれあの言葉大好きなんだけど。 この間あるサブカル方面の有名人らしき人が古本屋巡りみたいなのをやっていて、途中で呑…

●『トロッコ』と西武球場と山田うどんのかかし(2016年2月22日)

えー、芥川龍之介の『トロッコ』といえば、ブンガクなんぞ知らねえよ、って向きの方でも教科書で読んだことがおありではないかと思います。わたくしも国語の教材になるので毎年子供らに教えております。 近所でやっている鉄道敷設工事の様子を見ていた良平く…