おれにゴタクを並べさせる世の中は間違っている

いつ死ぬかわからないので過去に書いたモロモロの文章をまとめてみました。

「静岡おでん」是認問題 ~ご当地グルメはお好き?~

こんな時間にふと書いてしまう。だって、私は違う時間を生きてるんだもの!

放映時途中から途中までしか見てなかった『ロケみつ』のサキちゃんの『四国一周ブログ旅』をDVDで借りて今見終わった。

こういうミクロコスモスをつなげて行くような旅は本当にいいな、と思う。そもそもおれはロードムービーが大好きで、旅打ちにロマンを覚える人間なので、純粋なバクチで旅を制約するこの企画は楽しい。彼女の人柄もいいしね。

ところでおれも、2ヶ月に一度くらい『トラック野郎』風にブラザーと男二人で弥彦だ焼津だ秩父だとミクロコスモスを巡る旅をしているのだが、いつも旅先でモメるのは「地元の名物を食うか否か?」という問題、通称「静岡おでん是認問題」だ。

おれは素直で敬虔で殊勝な人間なので、燕三条ではラーメンを、静岡では黒おでんを、秩父ではみそポテトを食おうじゃねえの?というのだが、ブラザーは頑なに拒否する。いいじゃねえか大して高いもんじゃなし、と言うんだが「どうせ無理矢理こさえた名物に決まってるからマズいに決まってる」と。

そもそも静岡の店や競輪場で何度も「静岡おでんがあるよ」とおれが言ってるのに、ブラザーが完全に無視し続けたことからこの問題は始まった。

「名物に旨いものなし」とはよく言われるし、一面の真理だろうとは思うから気持ちはわかる。そりゃ、地元で取れた魚や野菜を自然な形で食うのが一番。だから秩父の謎のポテトはアイデア料理感が強くておれもさほど食いたいとは思わなかったし、三条のラーメンも結局はラーメンだし、何だかもったいない気はする。

今の番組でも高知のどこかの街で「鍋焼きラーメン」ってのが出てきた。まぁ美味しそうではあったが、これについては「無理矢理な名物」という上記の立場に立たなくもない。でもおれは別に食ってもいいかと思う。

ただおれは愛の男なので、そういう地方の人の無理矢理ながらのもてなし、工夫みたいなものを受け止めてあげたい、というのが根底にあって、多少マズかろうと食う、みたいな意識があるのも事実(でも昨今のイヤミな新作B級グルメは嫌いだけどね。あれにはホスピタリティが感じられない)。

ま、それはともかく「静岡おでん」はいいじゃねえかと。地元の人の食い方のご相伴に与る感じで食えばいいじゃねえか、と言うが「いや、大して歴史なんかないものをありがたがってるだけです!」と言う。そうかね?おれは歴史云々ではなく「おでん」ってもののバリエーションとして食いたい、と思うのだが。
まぁ実際、さほど大きな感動はなかったんだけどw そりゃ焼津のサバの方が旨いけど。

で、「じゃあ佐世保バーガーとかどうなんだよ?」って言ったら、「あれはアメリカ軍が持ち込んだものだからいいんです」って言ってたのを三峯神社帰りのバスで聴いたんだが、そのあとすぐ酔っ払って寝ちゃったので忘れてたが、どうも納得がいかない。

佐世保バーガーだって大して歴史ねえじゃねえか。それなら静岡の雑魚をすり身にした黒ハンペンの方が歴史あるだろがい。

佐世保バーガーはよくて静岡おでんはダメ、という線引きは一体なんなのか。説明責任を果たしてもらいたい。

そして食うことには一言も二言もある皆様、旅先で「ご当地名物」は積極的に召し上がりますか?