教育テレビでむかしやってた毒蝮三太夫の朗読による児童文学『ルドルフとイッパイアッテナ』。 ルドルフとイッパイアッテナ① 岐阜でシシャモを盗んで逃げこんだトラックに運ばれて小岩にやってきた黒猫「ルドルフ」が、文字の読み書きができる東京・小岩のボ…
原武史『レッドアローとスターハウス』という西武沿線の団地文化の本から、ちょっと自分のことを書いてみる。 昨日大宮競輪場行って、ついでに師走の大宮の街(世界中の街の中で一番好きだ…)をフラフラと歩いておりましたら、やっぱりいい街だなと思いつつ…
世界には「赤い矢」を名乗る有名な鉄道が3つあり、一つは西武鉄道の秩父に行く特急「レッドアロー」、一つはスイスの山岳観光鉄道であり、西武線のレッドアローは秩父をスイスに見立て名付けられた。そしてもう一つは、なんとスターリン時代のソ連で開通し…
おれはゆるふわソウル畑の人間なので、「ノーザンソウル」と言われたら、モータウンやサルソウルといったアメリカ北部のシカゴやらデトロイトやらフィラデルフィアの都会的なソウルミュージック…マーヴィン・ゲイだとかダニー・ハサウェイみたいな、甘くて洒…
行きつけの雀荘に最近やってきたおっちゃんがいる。彼は週末の競技麻雀の大会に片っ端から出場されているような方で、こっちとしても悪い感情はない。むしろいい人だろうと思う。本人も悪気はまったくないのだろう。いや、悪いとこなど別にない。明るいし、…
映画というのは総合芸術というか、「群像芸術」だと思うのですよ。監督、脚本、撮影、照明、大道具、小道具、主役、準主役、ヒロイン、脱ぎ役、脇役、殺陣師から、仕出しの弁当屋、運転手まで、関わる人の数がケタ違いに多い。 さらにこの東映実録ヤクザ映画…
最近一番不快だったツイッターの書き込みについて。 一人で激おこだったもので…って最近「激おこ」の何段活用だかって使ってるのかね。おれあの言葉大好きなんだけど。 この間あるサブカル方面の有名人らしき人が古本屋巡りみたいなのをやっていて、途中で呑…
えー、芥川龍之介の『トロッコ』といえば、ブンガクなんぞ知らねえよ、って向きの方でも教科書で読んだことがおありではないかと思います。わたくしも国語の教材になるので毎年子供らに教えております。 近所でやっている鉄道敷設工事の様子を見ていた良平く…
夏と言えば怖い話、怖い話と言えば心霊写真ですが、昔「デジカメの時代に心霊写真は生き残れるのか?」って思ったことがある。フィルムの時代の写真と言うのは光を現像するワケで、霊的なものが写りこむことはボンヤリと納得がいく。でも、デジカメは風景を…
山口瞳の名著でありおれの座右の書である『草競馬流浪記』の中で、盛岡競馬に旅打ちに行くので開通直後の東北新幹線に乗るため、山口瞳が大宮駅前のマクドナルドでフィレオフィッシュを食うシーンがある。(若い衆に言っておくと、東北新幹線は最初大宮が始…
ヘルタースケルター 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video 「笑い声と叫び声は似ている」おれの考える岡崎京子作品の通低音はこの言葉がまさに言いえていて、一種の「対位法」でできてるとおれは思っているわけです。つまり岡崎ロジック「○○と××」。「…
こんな時間にふと書いてしまう。だって、私は違う時間を生きてるんだもの!放映時途中から途中までしか見てなかった『ロケみつ』のサキちゃんの『四国一周ブログ旅』をDVDで借りて今見終わった。こういうミクロコスモスをつなげて行くような旅は本当にいいな…
映画『サニー 永遠の仲間たち』予告編 ちょうど金曜日のこと。おれの担当する中学校2年生の女子18人のクラスが、模試でいつもより早く終わった。解放感だかなんだかしらないが、彼女らは奥の教室にたまり始めてお菓子など食ってバカ騒ぎを始めた。すると…
今週末のウタマルのラジオが映画やアニメにおける食いもの描写を論ずる「フード理論」特集だが、おれとしては『まどか☆マギカ』のマミと杏子の「食い物」の描き方の差は、近年屈指の見事さだったと思っております。マミの食いものはいわゆるアフタヌーンティ…
観音寺競輪が閉鎖とのことだけれども、「場」を閉鎖してその店が好転することあるんだろうか。お客さんとの接点である「場」は最後まで手をつけてはいけないんじゃないか。それよりも選手を減らすとか、ダラ幹を粛正するとか内側からの方法はあるだろうと思…
夜も昼もわからぬ状態のママMacに向かい、おのれの非力さを感じながらこのくらいの時間になって、セブンのワイン飲みながら落語だの映画だの『まどか☆マギカ』だのについて書くという日々が当分続きそうなんで許して欲しい。 オレの中では『ガンバの冒険』『…
魔法少女というのは「夢と希望を与える」ものという、それまでの魔法少女の定義を逆手に取ったかのようなテーマ、これすなわち魔法少女ではなく「人間」とも言える。夢と希望を与えなくとも、夢と希望にすがって人は生きてる。しかし、夢と希望は他者に向け…
おれんちは両親ともにお笑いやら映画やら音楽…まぁサブカルかね…が好きで、いわゆる「あれは見ちゃいけません」式の教育は一切受けないという、あの時代にしちゃ大変な英才教育を受けました。で、オヤジもオフクロもテレビ映画に関しては荻昌弘の『月曜ロー…
昨年の死去以来、ややバブル的様相を呈していた談志がらみの書籍や文章の中で、とりあえず自分が触れたものの範囲で言えば一番「ほんとうの談志」を描いていると思いました。ほんとうの談志、というのは、カネてからおれが申し上げている通り、談志の「優し…
それにしても、新書のタイトルってのは何でもかんでも「なぜ」を入れるよね。「なぜ」って言うからには読者がそれ相応の経験をしてないといけないと思うのですね。たとえば「さおだけ屋はなぜ潰れないか」なら「そういやそうだな」になるけども、「落語評論…
特集アタマにドイツ文学者の池内紀が「権威」って感じで立川談志の名跡を解説してんのが意味不明。んなもんは何もこの人がやるこたぁない。編集部で資料でも作って載せりゃいい。しかも数少ない当代談志についての記述である快楽亭ブラックの改名について、…
落語ライブラリを掘り返しているのだが、21世紀に書かれたもので言うと、堀井憲一郎『落語論』は、少々クセのある文体なれど、近年読んだ落語に関する「批評」本の中で一番だと思う。大友浩『花は志ん朝』もいい。 ただ、やっぱり「落語評論」というものは成…